「パワースポット巡り」などで神社全般に注目が集まってる昨今ですが、それでも小さい神社の多くは経営が苦しかったりします。というか、パワスポブーム自体がそんな苦境を何とかする側面もあったりするわけですが、とにかく現代社会で活動してる以上、神頼みだけでは何ともならんこともあるわけです。
そしてそんな事情は、超メジャーな観光都市であり、街中の至るところにパワスポがあるような京都でも、さほど変わりません。
京都御苑の東隣にある梨木神社は、王政復古の大儀を唱え、明治維新の原動力となったとされる三條実萬公と三條実美公の父子を祭神として祀る神社。かなりやんごとなきというか、ロイヤルな由緒を持つ神社であります。しかし最近、この神社の境内にマンションを建てる計画が進んでることがわかりました。理由は、改修などにかかる費用の確保のためです。
ロイヤルな由緒を持つだけあって、戦前の梨木神社は国費によって運営されてました。しかし、戦後は政教分離のため、自主運営を余儀なくされます。京都三名水の一つと言われる「染井の井戸」や萩の花などがそれなりに拝観客を集めてきましたが、恋愛・金・出世などのゲスい野望を満たしてくれるわけではなく、パワスポ商戦に参戦してるわけでもないので、客足は地味といえば、地味。
そこへ、本殿などの改修で出費がかさみ、寄進も集まらないので、マンションの借地料収入をあてにすることになったんだとか。
京都では少し前に、それこそ「出世」という名前の出世稲荷神社が、改修の費用が捻出できず市の中心部から移転するというケースもありました。神社もいろいろ、大変なのです。
梨木神社 – 公式
梨木神社境内にマンション計画 京都御苑の東隣 – 京都新聞