シン・ゴジラ「ヤシオリ作戦」の元ネタになった「八塩折の酒」ってどんなお酒?

映画「シン・ゴジラ」でゴジラを倒すために実行された「ヤシオリ作戦」。その元ネタは『古事記』『日本書紀』に登場する須佐之男命(すさのをのみこと)による八俣遠呂智(やまたのをろち)退治であることは有名ですが、

ところで八塩折(やしおり)の酒って、どんなお酒なんでしょうか?

八俣遠呂智を酔わせて倒した、須佐之男命の武勇伝

まず、須佐之男命による八俣遠呂智退治のあらましを紹介します。

今は昔、須佐之男命は高天原(たかまがはら。天上の世界)に暮らしておりましたが、乱暴が過ぎてあわや世界を滅ぼしかけたため、追放されてしまいました。

そんな須佐之男命が葦原中国(あしはらのなかつくに。地上の世界)をさすらっていると、泣いている老夫婦とその娘に出会います。

泣いている理由を尋ねたところ、父親が答えるには、この土地に八俣遠呂智が来るようになってからというもの、毎年娘を一人ずつ生贄に差し出さねばならず、八人いた娘も七人まで喰われてしまい、最後に残った櫛名田比賣(くしなだひめ)も、いよいよ喰われてしまうとのこと。

八俣遠呂智とは赤加賀智(あかがち。鬼灯の古称)のように真っ赤な目玉をギョロギョロとさせた大蛇(おろち)で、八俣(やまた)の名が示す通り八つの頭と八つの尾をもち、山のような巨体にはあちこち木や苔が生えて森のよう。

頭から尾までの長さは八つの谷と八つの山に這いわたり、重たい身体を引きずるため、腹はいつも血にただれて腥(なまぐさ)い匂いを立てている、という文句なしの「怪獣(モンスター)」です。

2ページ目 八俣遠呂智を酒で酔いつぶす作戦!

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