浅葱色の地に袖口と裾に白い山形のデザインが入った羽織。新撰組といえば、このようなデザインの羽織を身に着けているイメージが強い読者も多いと思います。このような模様を段だら模様といいます。
新撰組を題材とした映画やドラマでおなじみのこのデザイン、実は『仮名手本忠臣蔵』に出てくる赤穂浪士たちが着ているものをオマージュしたもの。そもそも地色になっている浅葱色は、武士が切腹するときに着用する裃の色で、そこには常に死を意識して尊王攘夷に邁進するという彼らの覚悟が込められています。
このデザインの羽織は、新選組創設時のメンバーの芹沢鴨によって採用されたスタイルだったと伝えられています。芹沢は『忠臣蔵』が大好きだったらしく、芹沢の芝居に出てくる赤穂浪士たちへのリスペクトが、このようなデザインの羽織を作らせたのでしょう。
自分が気に入っていたり、尊敬している有名人にちなむデザインを、音楽バンドやスポーツチームのユニフォームに取り入れる。現在でもよく見られる光景ですよね。