日本のみならず、今は欧米圏など世界中で実践されている「座禅」。
実は「座禅」を最初に日本に伝えたのは明菴(みょうあん)栄西(えいさい)という僧侶でした。「臨済宗」は、鎌倉時代から室町時代の武士の世の中に新しく登場した仏教の教えのひとつです。
この流派では座禅によって自分自身を鍛えて悟りを目指す禅宗の一つで、そのストイックさが武士階級の支持を集めました。
栄西は最初から禅僧だったとおもわれがちですが、実は比叡山で修行を積んだ天台宗の密教僧だったのです。
栄西は、朝廷や幕府からは国家安寧や無病息災や雨降らしなどの祈祷の依頼が絶えないほどの優秀な密教僧だったようで、元々彼が興した流派ももともとは密教から派生したものでした。その後、座禅が一宗派として組織化されたのは、彼の弟子の時代になってからです。