お正月の風物詩だった「羽根つき」は、魔除けや厄払いの意味を持つ遊びだった

湯本泰隆

近頃はめっきり聞こえなくなりましたが、冬の乾いた空に鳴り響く羽根つきの音は、正月の風物詩でした。

羽根つきは、羽子板と呼ばれる木製の板で、やはり木製の玉に羽を付けたものをバドミントンのように打ち合います。玉を地面に落としたら失点で、顔に墨を塗られます。

この羽根つき、ルーツは宮中で流行していた「毬杖(ぎっちょう)」というゲームにあるといわれています。これは、毬杖という杖で、鞠を打ち合うといったものですが、これは奈良時代から中国から伝わったものです。

これが室町時代になると、杖が木の板に、鞠は羽となり、現代の姿とほとんど変わらないスタイルに変わっていきます。この羽は、「ムクロジ」という落葉樹の種に羽を指したもので、「子」は小さいものにつく接尾語と考えられています。

3ページ目 子供が蚊にさされないためのおまじない

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