江戸時代後期、どの画派にも属さず画壇の潮流に左右されず、京都で活躍した絵師「横山華山(よこやまかざん)」。卓越した技術とセンスで名画を残し、江戸の絵師たちにも大きな影響を与えました。
そんな横山華山の画業を回顧する展覧会「横山華山 Kazan – A Superb Imagination at Work」が開催中です。
本展覧会は、華山の多彩な画業を系統立てて紹介する初めての回顧展で、曾我蕭白や弟子たちの作品も含め会期中あわせて約100点に及ぶ作品が展示されます。ボストン美術館や大英博物館など海外に渡った作品も里帰りします!
人気絵師であったにもかかわらず近年では華山の画業を回顧するような展覧会はほとんど開催されていません。本展覧会はまさに忘れ去られてしまった画家の魅力に再びスポットが当たる、貴重な場所になるでしょう。
会場では曾我蕭白と横山華山がそれぞれ描いた同じテーマの作品を並べて比較展示したり、ボストン美術館から里帰りする、縦3メートル、幅2メートルの大作「寒山拾得図」も展示。里帰り作品のうち7点は日本初公開とのこと。
「祇園祭礼図巻」は、江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上下巻約30メートルに渡って克明に描いた華山の集大成ともいえる壮大な絵巻で、上巻に描かれている「神輿洗練物」は現在行われていない行事で、絵画史料として詳細に描かれているものは「祇園祭礼図巻」しか確認されていないそうです。
本展では横山華山の作品と同時に、華山が傾倒した曾我蕭白の作品も紹介されるので、このあたりもなかなか楽しみな展覧会ですね。
「横山華山 Kazan – A Superb Imagination at Work」は2018年9月22日(土)〜11月11日(日)の期間、東京ステーションギャラリーで開催中。2019年には宮城展と京都展が開催されることになっています。
「横山華山」展 KAZAN – A Superb Imagination at Work
- 開催期間:2018年9月22日(土)〜11月11日(日)※会期中、展示替えがあります
- 開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
- 休館日:月曜日(9月24日、10月8日、11月5日は開館)、9月25日(火)、10月9日(火)
- 会場:東京ステーションギャラリー