武の優美。江戸時代に多くの流派が生まれた伝統武道「居合道」って何?

昨今、段位や称号のウラ金問題で揺れている居合道(いあいどう)界ですが、それはあくまで一部の話。ほとんどの方は日々真剣に鍛錬されていて、こうした一部の不正によって全体が迷惑するのは、誠に遺憾でなりません。

先日、鎌倉宮(神奈川県鎌倉市)の例大祭にて奉納された演武を拝見しましたが、とてもカッコよかったです。刀の取り扱いは元より、足の運びや裾を払う所作、気持ちよく伸びた背筋や視線など、素人目にも平素の精進が感じられる「武の優美」を堪能させて頂きました。

さて、そんな居合道とは、いったいどんな武道なのでしょうか。

居合道ってなに?ざっくり2分28秒で説明

「居合(いあい)」とは座る・寝るなどの自然体を指し、剣道などのように最初から対決姿勢をとる「立合(たちあい)」と異なり、普段通りに暮らしながら「いつでも不測の事態に即応できる(居合える)」スタイルが特徴です。

その起源は戦国時代の剣客・林崎甚助(はやしざき じんすけ、天文十一1542年生~元和三1621年没)の抜刀術がルーツとされ、江戸時代には「治にあって乱を忘れぬ」精神が武士たちに受け入れられたのか、数多くの流派が生まれました。

2ページ目 「自らに克(か)つ」ことを重んじる

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