江戸時代に描かれた浮世絵の中でも、性風俗に関する場面を描いた作品を「春画」といいます。性描写が多く含まれていますが、当時の人々はそれらの作品を性的欲求のためだけではなく、滑稽なものとして笑い楽しんでもいました。
春画は新婚生活に必須?江戸時代、春画はただ見るだけのものじゃなかった
春画というと男女が見て楽しむものというイメージがありますが、実はほかにも様々な役割が!例えば、花嫁向けの参考図版としての役割もあったそう。春画の中でも特に立派なものは、裕福な家や身分の高い家の嫁入り道…
当時の春画の人気はとても高く、江戸時代の絵師らが春画を描くことは決して特別なことではなく、人気絵師らが描いた作品も数多く残されています。
世界的に有名な葛飾北斎も多くの春画を手がけており、その中には北斎の代表作として上げても良いほどのクオリティの作品も少なくありません。そんな北斎が描いた春画を木版画で復刻させる『葛飾北斎「春画」木版画復刻プロジェクト』がスタートしました。
このプロジェクトは、北斎が描いた春画3図を、江戸時代から浮世絵を専門とする「彫り」、「摺り」の技術を継承する職人によって復刻し、「北斎あぶな絵名画撰」特彫全3図として世界限定500枚セットで発売するというもの。
木版画の浮世絵作品は元絵を描いた絵師がフィーチャーされがちですが、版画作品には絵師のほか、彫師と摺師の技術が不可欠で、絵師・彫師・摺師の三位一体の体制がなければ良い作品は完成しません。今回のプロジェクトでは昔ながらの木版画技術を継承する職人さんが参加されるとのことで、完成作品に期待が高まります。
完成した春画全3図は販売とともに展示も行われるそうで、葛飾北斎「春画」木版画復刻記念イベント「nuranura展2018 15人のアーティストと北斎復刻春画 」の中で、北斎復刻春画が公開されることになっています。
本イベントでは、様々なジャンルのアーティストによる、「春画」をモチーフとした作品展示を行われるそうなので、アート好きな方は要チェックです。