顔色が悪いとか鼻が低いとか、江戸っ娘たちにもいろんな悩みがありました。
「キレイになりたい」というのは、いつの時代も同じ。「容顔美艶考」という本では、化粧でいろんな欠点をカバーする方法が書かれていたのです。面長な顔だったら、顔には薄い白粉(おしろい)を塗って、耳にも同じ濃さで塗るのがポイントだとか。顔と耳の白粉の濃さが違うと、見苦しいといわれたそう。前髪で顔を隠すことができない分、面長の顔を隠すには白粉の塗り方を工夫するしかなかったのですね。
鼻が高すぎるのも欠点?
唇が厚いのも、良しとはされませんでした。白粉で唇をうめて、唇が地肌と一体化するようにします。そして、紅粉を少し内にして濃くさすのがポイント。これで、上品な唇の出来上がり!
鼻が高すぎるのも、欠点でした。鼻が高いってうらやましい!…という時代ではなかったのです。鼻以外の部分に白粉を厚塗りして、鼻だけは薄く塗るのがポイントです。こうすると、鼻が高く見えないと考えられていました。白粉の濃淡で欠点をカバーする方法を、すでに江戸時代で実践されていたとは!
3ページ目 日焼けしてしまったときの定番は「唐の土のパック」