6月6日は「かえるの日」だってこと、知っていましたか?蛙は「けろ(6)けろ(6)」と鳴くという語呂合わせから、1998年に制定されました。ちょうど梅雨時の6月というのも、雨が好きな蛙にぴったりですね。
さて、江戸時代〜明治時代の絵師の中には特定の動物が大好きな人がいたという話を聞くことがあります。浮世絵師の歌川国芳は無類の猫好き。そして伊藤若冲はたくさんの鶏を庭で飼っていたと言います。
明治時代に活躍した河鍋暁斎はカエル好きだったことで知られています。河鍋暁斎記念美術館では暁斎のカエル好きを ”暁斎の生涯は、「蛙の写生に始まり、蛙の墓に終わる」ほど” とも表現しています。
今回は、そんな蛙好きな日本画家・河鍋暁斎が描いた蛙作品をまとめて紹介します。暁斎らしいユーモアに溢れた作品が盛りだくさんで、そのほとんどは擬人化された蛙ですが、リアルさが感じられるのも暁斎の画力あってこそなのではないでしょうか。
女性の足元でカエルたちが相撲をとっています。親方らしき蛙が腕組みをし、取組を厳しい表情で見ています。
なんとも楽しげな虫たちのダンス。センターでは蛙が蓮を太鼓代わりに使っています。暁斎の絵では同じみのコウモリの姿も。
はいしどーどー!猪をうまく手懐ける蛙さん。動物や昆虫のサイズ感おかまいなし。コウモリが鞭を持っているのも細かい。
これは長州征伐の様子を蛙の合戦に代えて描いています。右下には徳川家の六ツ葵紋、左端には毛利家の沢瀉紋が確認できます。
擬人化されているのにとてもリアルに感じられる蛙のポージング。とても躍動感があって暁斎らしさにあふれています。
2ページ目 動画の一場面を切り取ったかのような躍動感溢れる作品たち