人工知能(AI)を利用して白黒映像を自動でカラー化する技術をNHKが一般公開!

増田 吉孝

NHKが今年発表した、AI(人工知能)を利用して白黒映像を自動でカラー映像に変換する技術が、いよいよ一般公開されました。現在開催している「技研公開2018」で展示されています。

開発されたシステムでは、NHKアーカイブスなどから収集した大量の番組映像をAIの学習材料として利用し、色に関するニューラルネットワークを使って、白黒映像をカラー映像化しています。

この技術を活用することで、5秒の白黒映像のカラー化にかかる作業時間は、30秒から5分程度にまで短縮できるそうです。

昨年には同じようなシステムを利用し、昭和はじめの白黒フィルム時代の大相撲の取り組みをカラー化した映像が、NHKの大相撲中継内で使用されていました。(参考

また、昨年10月に放送された「カラーでよみがえる東京~不死鳥都市の100年~」でも利用され、明治時代〜昭和初期に撮影された白黒映像がフルカラーで復元されたり、NHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945-1946」でも、終戦直後の東京を撮影した白黒映像の一部をカラー化されており、すでに多数の番組でシステムが活用されていました。

また、この技術ではAIによる自動カラー着色にプラスして、ユーザーが指示した色を考慮してカラー化できるシステムも導入。色を指示したい画像領域を指定することでカンタンに同画像中の色を修正することが可能とのこと。実際にどんな色だったのかが判明している部分に関しては、その色を優先できるわけですね。

この技術は今後NHKの番組内で積極的に活用されていくかと思いますが、これまで大切に保管されてきた白黒映像がカラー化されていくことで、そこから新たな情報が多く得られることでしょう。

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