先日「十二単はなぜあのような形状になったのか?」という記事を紹介しましたが、今回は平安時代の女性の装束について紹介します。
平安貴族の女性の衣装は「身分が高い=華やか」ではない
平安時代の女性貴族と言えば、ひな人形が身にまとっているような「十二単」が思い浮かびます。今も昔も高貴な女性ほど、華やかに着飾っている、という印象をお持ちの方が多いでしょう。
ところが実際は、身分の高さと衣装の華やかさは比例しませんでした。
宮中で、天皇や天皇の后などに使える女官である女房たちは、主人に対して敬意を表すために、正装である唐衣(からぎぬ)と裳(も)から成る十二単を着ていました。十二単を女房装束と呼ぶことがあるのはそのためです。
一方、彼女たちの主人である天皇の后など高貴な身分の女性は、入内などの儀式の時にはもちろん唐衣と裳を着用しましたが、普段はそこまでかしこまらない軽装で過ごしていました。
では平安時代の女性たちの装束には、十二単以外にどのようなものがあったのでしょうか?