江戸ファッションの楽しみ方
町人文化が花開いた元禄時代以前、庶民が使っていた帯はおよそ5寸(15㎝)幅で模様もさほどなくシンプルなものでした。結び方も現代のようにたくさんあるわけではなく単純で、帯で遊ぶことができない分、着物は柄物で派手なものが多かったそう。
しかし18世紀になり不況期に突入し、8代将軍・吉宗は享保の改革を推し進め、贅沢を禁止するいろんな法令が発令。もちろん女性のファッションにも大きな影響があり、華やかな色や柄の着物は廃れることになりました。代わって、花色や鳶(鳶)色などの地味な色が流行しました。花色というと淡い色や明るい色をイメージしがちですが、実際はやや淡い藍色。鳶色は鳥のとんびの羽色のような茶色で、どちらも控えめな色味でした。