日本の伝統遊戯のひとつでもある「折り紙」は、海外でも「ORIGAMI」として広く知られています。
折り紙の技術は国外でも大きく発展し、多くの折り紙アーティストがSNSを利用してユニークな作品を公開しています。また、折り紙の見た目のデザインをモチーフにした雑貨、インテリアなどもいろいろと登場しています。
折り紙の折り形を紹介した本は今や数えきれないほどの種類が販売されていますが、現存する、世界で最古の折り紙の本が、今回紹介する「秘伝千羽鶴折形(ひでんせんばづるおりかた)」です。
秘伝千羽鶴折形は、1797年(寛政9年)に刊行された折り紙の本で、一枚の紙から2羽以上の複数の鶴を作る「連鶴」の折り方が49種類も収められています。連鶴だけで49種類…なかなかのボリューム!中には97羽もの鶴を作る方も紹介されており、折り紙技術の高さが伺えます。
連鶴の作者は義道一円(ぎどういちえん)という住職であるのもユニークな点。一円はなんと18年もの歳月をかけて連鶴の折形を完成させたんだそう。考案した連鶴の種類は秘伝千羽鶴折形に収録されている49種類以上あったとのこと。
秘伝千羽鶴折形の内容はWikimedia Commonsで公開(Licensing: Public Domain)されていますので、紹介します。これを見て連鶴を折るにはかなりの技術力の高さを要しますが、チャレンジしてみてはいかがでしょう?
→ 現存する、世界で最古の折り紙本「秘伝千羽鶴折形」を見る
本の中には折形が掲載されているほか、江戸時代に読本作者・俳人であった秋里籬島(あきさとりとう)による折形の和名と短歌(狂歌)が添えられています。
現在、秘伝千羽鶴折形で紹介されている折り形は「桑名の千羽鶴」として桑名市の無形文化財に指定(1976年指定)されています。