突然ですが、日本の暦が変わります
明治5(1872)年11月、日本でそれまで使用されていた暦太陰太陽暦を、世界で主流となっていた太陽暦に変更するという発表が、政府によって突然なされました。
「太陰暦」と「太陽暦」とは、どちらも暦の種類ですが、それぞれ「暦を決めるために基準としているもの」が違っています。月を基準にした暦が「太陰暦」で、太陽を基準にしたものが「太陽暦」です。
日本の旧暦で使用されていた太陰暦は、月が満月から次の満月になるまでを1ヶ月と数える暦です。月を見れば今日が何日か分かる太陰暦は、分かりやすくて便利だったのですが、1ヶ月が29.53日という中途半端な日数になり、暦と季節がずれていくという重大な欠点がありました。当時、この不都合はひと月が29日と30日の月を作ることによって解決していました。
春夏秋冬という季節は、太陽と地球の位置関係で決まっています。太陰暦では1年が29.53日×12で354日となり、暦が毎年11日ずつずれていくため、やがては暦と季節が逆転してしまいます。
そこで日本では「太陰太陽暦」という暦が長い間使用されていました。これは太陰暦の暦がズレるデメリットをカバーするために、数年に1度「閏(うるう)月」を入れて、1年を13ヶ月にする暦でした。