宮澤賢治の描いた『銀河鉄道の夜』
宮澤賢治の代表作のひとつでもある『銀河鉄道の夜』。「もちろん知っている」という人も、「たしかに読んだことはあるはずなんだけど、どういう話だったか覚えていない」という人もたくさんいると思います。
かなり端折って説明すると、主人公のジョバンニが親友カムパネルラと一緒に「銀河鉄道」に乗って、銀河をめぐる旅をする話です。特に日付の記載はありませんが、物語に登場する星座から、初夏から初秋にかけての物語だといわれています。少年の心の揺れ動き、そしていうまでもなく、宮澤賢治の描く銀河の情景を楽しむことができる作品です。
天の川と銀河
宮澤賢治の描く『銀河鉄道』は「天の川」に沿って走っています。ところで、みなさんは「天の川」が何かご存じでしょうか?
天の川は「銀河系」と呼ばれる、数千億個の星の集まりです。そして、私たちが暮らす地球のある太陽系も、この「銀河系」の中にあります。銀河系は真上から見ると大きな渦巻き型をしていますが、横から見ると凸レンズのような形をしていて、ちょうど太陽系から銀河系を眺めると、ひらべったい帯のような形に見えます。これが私たちが見ている天の川なのです。
3ページ目 銀河鉄道が広い宇宙の中で「天の川」を走っていた理由