まさにお江戸の妖怪カタログ!江戸時代の絵師・尾田淑太郎による「百鬼夜行絵巻」

増田 吉孝

関東地方も梅雨明け宣言されていよいよ夏本番といったところですが、夏の暑さに負けないよう、肝を冷やしてクールダウンしてみましょう。

今回紹介する作品は、江戸時代の絵師・尾田淑太郎による「百鬼夜行絵巻」です。「百鬼夜行絵巻」はその名の通り、鬼や妖怪たちが深夜に行列をなして大行進する百鬼夜行を描いた作品。

百鬼夜行を描いた作品は妖怪たちが行列をなしている様子を描いているものが多く、そんな百鬼夜行を描いた作品の中では、幕末・明治時代にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎が描いた「百鬼夜行図屏風」がとても人気が高いです。

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尾田淑太郎による「百鬼夜行絵巻」は少し趣向が違い、妖怪を描いた絵それぞれに妖怪の名称が添えられており、妖怪カタログのような形式になっているのが特徴。以前、Japaaanで紹介した、江戸時代中期の画家・佐脇嵩之による「百怪図巻」に近い形と言えるでしょう。

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百鬼夜行絵巻には58点もの妖怪が描かれており、この数はこれまでに確認されている妖怪絵巻の中では最も収録数の多い作品とのこと。58点の中には他の妖怪作品には描かれることのない妖怪が多く含まれており、重要な資料としても評価されているそうです。

それでは、尾田淑太郎による「百鬼夜行絵巻」をどうぞ。現代のマンガチックなユーモア溢れる作風も感じられて、とても親近感が湧く作品です。

百鬼夜行絵巻に描かれた全妖怪リストは八代市立博物館が公開している八代市立博物館解説シート(PDF:23MB)で確認ができます。

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