遊女も喜ぶ名物「最中の月」が人気、江戸吉原スイーツの名店「竹村伊勢」

やたろう

吉原限定の名物スイーツ

上は花魁から、下は無名の遊女に至るまで美女が妍を競った吉原ですが、見どころは美人ばかりではありませんでした。今の東京の歌舞伎町や銀座、大阪のなんばのような繁華街・歓楽街をも兼ねていた吉原には、そこでしか手に入らないお土産が多く売られていたのです。ここでは、前回の甘露梅に続いて吉原の名物スイーツについて紹介いたします。

今でも、クラブへ行く男性がケーキなどをお土産に持って行くことがありますが、それは江戸期の遊里でも同じでした。女性に高級なお菓子をプレゼントして「きゃ~、嬉し~!」とはしゃがれて喜ぶ男性の心理は、江戸時代から続く伝統なのかもしれませんね。

閑話休題。吉原にあった『竹村伊勢』と言うお菓子屋さんで売られた『最中の月』という菓子は、遊女屋で働く女性陣にはとても嬉しいお土産でした。『竹村が 月は座敷を かがやかし』つまり、竹村伊勢で買ったこのお菓子を目にした女性陣が、これこそ目の色を変え、黄色い声を上げて殺到する様子が、見事に詠み込まれています。

この『最中の月』は、名前からしてお菓子のモナカに思えてしまいますが、実はあんころ餅の一種だった、とする説もあります。お砂糖が高価で遊女はなかなか口に出来ないのはもちろん、あんこもお餅も今のように機械で作り置きが出来ない時代だったので、名店のあんころ餅はお座敷をにぎやかにさせるだけの魅力があったのです。

2ページ目 あんなことにも使えちゃう?甘くて便利な巻き煎餅

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