力士だけではない!階級社会の相撲界
相撲と言えば、実力によりランキングされた「番付」が全ての、完全実力社会です。その地位は、番付表に名前の記載されない「前相撲」から「大関」まで、勝ち越せば上がり負け越せば下がるという、実にシンプル、かつ厳しいものです。(横綱は陥落することがありませんが、その代わりに負け越しや休場が続けば引退勧告という、大変な責任や重圧を伴います。)
そんな相撲界の階級社会は、実は力士だけではありません。力士の取組みを裁く「行司」にも、力士と同じように階級が存在します。階級の上下による厳しい上下関係も、力士と全く同じです。
行司の階級とは
力士が入門して「前相撲」という地位につくのと同様に、行司のキャリアも最初は「見習い」としてスタートします。行司見習いになるためには、「19歳未満で、義務教育終了後の健康に問題がない男性」という条件があります。
見習いは3年間、先輩行司の指導を受けながら、相撲部屋での雑用などの仕事を任されます。相撲の番付表の独特の書体の筆文字を書くのも行司の仕事のため、書道の練習も欠かせません。
そして、最初に任じられるのが「序ノ口行司」です。
序列は、下から
- 序ノ口行司
- 序二段行司
- 三段目行司
- 幕下行司
- 十枚目行司
- 幕内行司
- 三役行司
- 立行司 式守伊之助
- 立行司 木村庄之助
という順に昇進していきます。
ちなみに式守伊之助と木村庄之助は、共に最高位の「立行司」ですが、結びの一番のみを裁く木村庄之助の方が階級が上となります。