武士道の精華として称賛されてきた敵討ちですが、実はルールがたくさんあったとか。敵討ちはルールに則って遂行しないといけないのです。
敵討ちのルール
じゃ、具体的にどんなルールかというと…
- 敵討ちできるのは、師匠または父母・叔父叔母・兄姉など目上の近親者が殺された場合のみ。子供の敵を親が討つことはできない。
- 主君(藩庁)に敵討ちすることを届け出て、許しを得ないといけない。
- 返り討ちにあった場合、その敵討ちは許されない。
藩が敵討ちを許可したら、幕府にその旨を届けて、町奉公所の敵討帳と言上帳(ごんじょうちょう)に帳付けしてもらうことで、町奉公所から敵討ち許可書である書替(かきかえ)を貰えるというわけ。これで、ようやく敵討ちができるのです。
きちんと手続きしたら恩恵あります
敵討ちをするからにはルールに従うしかありません。開始するまでに意外と手間ひまがかかりますが、きちんと手続きを行うことでいいこともあったのです。
敵を探す旅先の諸大名の城下町で敵を見つけたら、いきなり敵討ちを開始するのは得策ではありません。まずは藩役所に訴え出ると、敵の身柄を拘束してくれるだけでなく、敵討ちの場所を設営してもらえるなどのメリットがあったとか。