今回紹介する作品はとっても珍しい、浮世絵の作品にサンタクロースが登場するというもの。浮世絵ならではの擦りの技法で仕上げられた作品にサンタクロースが描かれるというのは、どこか不思議な感覚を覚えます。
その作品がこちら。プレゼントを背負ったサンタクロースが雪のつもった日本庭園を歩く場面が描かれています。
なんか不思議な雰囲気ですよね。この作品は大正・昭和時代に活躍した浮世絵師 川瀬 巴水(かわせ はすい)の「雪庭のサンタクロース」。どこの日本庭園を描いているのかは不明ですが作品タイトルにはサンタクロースという言葉がしっかり使用されています。
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この浮世絵は昭和25年(1950) に制作されたもので、電通が海外向けに発行した雑誌の表紙にも使用されたそうです。制作された年代も昭和25年ということでそこまで古い作品ではないのですが、浮世絵とサンタクロースという組み合わせがあまりイメージできないので、とっても面白い作品に仕上がっています。
川瀬巴水は明治期からの浮世絵衰退に対して浮世絵復興を目指し、「新版画」という分野を確立した人物としても知られています。従来の浮世絵の手法を大切にしながらもその時代にあった新しい試みも行っていたのでしょうね。
※2020年12月25日 記事内容をアップデートしました。