天下布武を唱え、戦国乱世を駆け抜けた織田信長。楽市楽座や鉄砲活用、桶狭間の奇襲など革新的かつ豪胆なイメージが強い人物ですが、意外と繊細な一面も兼ね備えていました。
今回は『備前老人物語』から、信長の繊細さが垣間見える日常エピソードを紹介したいと思います。
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呼びつけておいて「何でもない」
ある日のこと。信長は小姓を呼びつけました。
「誰かおらぬか」
呼ばれた小姓は部屋に入り「何用にございましょうか」と信長にうかがいます。
ここで何か用を申しつけるかと思いきや、信長は「いや、何でもない」と答えました。
小姓は不思議そうな顔をしましたが、来るまでの間に解決してしまったのかも知れません。
小姓は「また御用の際は、お呼びつけくださいませ」と言って部屋から退出したのでした。
そして信長は少し時間が経ったころ、再び「誰かおらぬか」と小姓を呼びつけます。小姓は交代していたようで、別の小姓が部屋に入ってきました。
「何用にございましょうか」とのうかがいに対して、信長は又しても「いや、何でもない」と答えます。
その小姓も「また御用がございましたら、お呼びつけくださいませ」と退出しました。信長は、いったい何をしたいのでしょうか。
