なんと男装をし幕府軍に参入!女性の身でありながら幕末の箱館戦争に身を投じた芸者・勝奴の数奇な生涯

Japaaan編集部

戊辰戦争最後の戦い、箱館戦争では男名を使った日本人女性のフランス通詞が幕府軍に紛れていました。その人物の名前は田島勝太郎(たじま-かつたろう)で、箱館戦争に従軍する前は芸者をやっていました。

「男名の元芸者が箱館戦争へ」という聞くだけで驚くようなことをやった勝太郎の数奇な生涯を今回はご紹介します。

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父は幕府通詞

勝太郎の本名は田島勝といい、江戸の下谷(現在の東京都台東区)で生を受けます。父の田島平助は飾師をやっており、飾りで使う宝石や異国品の取引をしている内にオランダ語やフランス語に精通するようになりました。

平助はこのことにより、幕府の通詞となり長崎へ滞在することになります。勝も父と共に長崎へ滞在していました。

しかし、平助が暗殺されたことで勝は故郷の下谷へ戻ることになりました。

母のために芸者の道へ

下谷に戻った勝は母を養うために「勝奴」という芸名で芸者になります。そんな時、勝は長崎にいたころに親交があった榎本武揚と偶然出会います。

榎本武揚/Wikipediaより

2人は武揚が長崎海軍伝習所に入学していたころに平助を通じて会っていました。

勝は耳学問でしたが、オランダ語とフランス語が話せました。そのことに目を付けた武揚はこのような生活から救おうとした思いもあり、勝にフランス軍事顧問団の通詞となることをお願いします。

承諾した勝は、この時から男装し「田島勝太郎」と名乗ります。

2ページ目 いざ、箱館の地へ

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