幼名に多い「〇〇法師」
戦国武将の幼名を見渡すと、「○○法師」という名前が多いことに気が付きます。
例えば織田信長の幼名は吉法師です。また信長の子の忠と、その子の秀信の幼名は、どちらも三法師です。
なぜ当時はこのような名前が多かったのでしょうか。子供の名前に法師をつけるのには、どんな意味があったのでしょう?
漢字を見ればすぐ見当がつくと思いますが、「法師」とは本来、仏法に通じた人のことです。「法」は仏法の法であり、「師」は仏法にもとづいて人を導いていけるような立派な人を指します。
要するに、偉い僧侶・お坊さんのことですね。昔の男子は僧侶のように頭を剃っていたので、男児のこともそう呼ぶようになったのです。
おそらく、丸刈りに限らず男児のことを現在でも「坊主」「小僧」と呼ぶことがあるのは、この名残でしょう。
さらに、この「法師」の上に「吉」などのおめでたい字をつけると、ますます縁起の良い名前になるという感覚が当時の人にはあったようです。