普通の古墳ではない石舞台古墳
奈良県明日香村にある「石舞台古墳」のことは、歴史好きの人なら知らない人はいないと思います。
しかし、有名なこの古墳は、よく考えてみると、私たちが古墳と聞いてすぐイメージするものとは大きく異なっています。
石舞台古墳の大きな特徴は、封土(ふうど)がなく、石室が露出している点です。普通の古墳は石室の上に土が盛られているのですが、石舞台古墳はいわばむき出しの状態で、そこに石がかぶせられているだけの状態なのです。
それこそが「石舞台古墳」という呼称の由来でもあるわけですが、この剥き出しの古墳はかつては東西481メートル、南北83メートルの外堤をもつ上円下方墳か、あるいは方形墳だったと考えられています。
つまり、石舞台古墳はいったんは土がかぶせられていたのです。では、なぜ現在はむき出しの状態になっているのでしょうか。
実は、この古墳の封土が取り除かれたのは、埋葬者とみられる蘇我馬子に対する懲罰の意味があったからではないかと考えられているのです。