ぼちぼちと、ひな祭りの季節ですね。
などと書くと、「もうひな祭りは終わったよ」と思われるかも知れませんが、ピンと来る方はピンと来るでしょう。「ああ、旧暦の話ね」と。
日本が新暦 = 現在の暦を使うようになったのは、明治以後。それまでは、当然ながらいわゆる旧暦であらゆる行事が行われていました。もちろん、ひな祭りもそう。昔は、旧暦の3月3日 = 現在の4月初頭に桃の節句が祝われてたわけです。
とはいえ、ひな祭りを旧暦のタイミングで行う地域や家は、まだまだ多く存在します。というか私や、他の行事と比べるとひな祭りの旧暦率みたいなのは妙に高いような印象を持ったりするんですが、気のせいでしょうか。「春を確かに実感できる頃に行いたい」という気持ちが働いて、あるいは実際に旧暦率が高かったりするんでしょうか。
「どうせなら新暦と旧暦、両方押さえておけ」とばかり、3月3日から4月上旬まで雛人形を飾りっ放しにしてるケースも、珍しくはありません。そんな気持ちが作用してるのかどうかは知りませんが、京都・山科の隨心院にて3月下旬に行われる「はねず踊り」も、実施時期の割に「ひな祭り感」みたいなのが濃厚な催しです。
「私の家まで100回来てくれたなら」と、絶世の美女・小野小町が深草少将を相手に超焦らしプレイ「百夜通い」を強要したことで知られる、隨心院。そんな隨心院にて、魔女の心を学ぶためなのかどうかは不明ですが、とにかく地元小学生女子が踊る可憐な舞踊が、「はねず踊り」。境内の小野梅園が見頃であることも手伝って、実に春らしく、そしてひな祭りらしい雰囲気が楽しめる催しになってます。
本当の春の到来と共に、優雅なひな祭り気分を楽しむのも、いいのではないでしょうか。