幕末期の日本は、諸外国からの脅威に対抗する国防意識の高まりを引き金として、政権体制が大きく乱れた時期であった。国内は開国派と尊王攘夷派の思想が対立し、武力による暗殺事件が乱発する。
今回は【前編】に続き、幕末期に起こった尊王攘夷派志士たちによる暗殺事件をご紹介する。
前編はこちら
幕末の京都を震撼させた「人斬り」!尊王攘夷派の志士達が起こした要人暗殺テロの数々【前編】
長らく続いた徳川家による幕藩体制が揺らぎを見せはじめた幕末期。日本は度重なる他国からの干渉によって開国派と尊王攘夷派に分かれ治安は悪化した。京都では攘夷派の志士による要人暗殺事件が相…
佐久間象山暗殺事件
犠牲者:佐久間象山
暗殺犯:河上彦斎、他数名
日時・場所:1864年7月11日、京都木屋町
日本を代表する幕末の思想家であり兵学者でもあった佐久間象山。開国論を唱え、西洋の兵学に精通した象山の元には、吉田松陰や勝海舟、坂本龍馬といった幕末の中心人物が知識を会得しに集まった。
しかし、象山の開国思想は攘夷派にとって西洋かぶれの腑抜けに写り、刺客によって命を狙われることとなった。
1864年7月11日。馬に乗った象山を複数の刺客が襲う。象山は2名の刺客から逃れたものの、待ち伏せていた河上彦斎らによって落馬させられ、複数の太刀を浴び絶命。遺体の首は持ち去られたという。享年54。