平成の世になってもなお「未確認飛行物体では?」という見方が消えない、江戸時代に発見された物体をご存知でしょうか?その物体は「虚舟(うつろぶね、きょしゅう)」。曲亭馬琴による「虚舟の蛮女」という図版で描かれたことでも知られています。
オカルトファンまたは民俗学などに精通のある方なら「あぁ、あれね」となるかとは思いますが、江戸時代にあまりにも不釣り合いなその物体の外観がなんとも想像を掻き立てるものなのです。まずはその虚舟が描かれた文献を見てもらいましょう。
そう、まさにどんぶり型の未知なる物体なのです。こちらは長橋亦次郎という人物の描いた虚舟。どんぶり型の物体に描かれた、江戸時代にはなかなか似合わない幾何学的な文様が記されています。
虚舟は1803年(享和3年)に茨城県大洗町の太平洋に突如現れたとされる船で、当時は今でいうUFOのような飛行物体としての認識ではなくなんらかの船として考えられていたようですが、当時もこの物体が一体なんであったのかを解明するには至っていないのです。
当時の文献の解説によると虚舟の中には異国の女性が乗っていたそうで、虚舟の素材は鉄製。さらに窓が取り付けられていたそうです。
1803年当時は日本はまだ開国前であり、日本近海では海外の船がよく出現していたことから外国船からの偵察船などであったとの予想もされますが、結局現在に至るまでそれはなんだったのか明らかになっていないところがまた不可思議なところであります。
1803年に発見されて以来、虚舟に関する情報は11編にも及ぶそうです。現代でもこう言った未知なるものに対する好奇心というのは多くの人が持っているかと思いますが、この虚舟はまさにその走りだったのではないでしょうか。
虚舟は人から人へといい伝わり、様々な人たちが資料としてそのカタチを残しています。
どう見てもやはりあの時代には不釣り合いで想像力をかきたてられますね。