良質な睡眠のために、「枕」は欠かせないアイテムです。最近では、上質な素材を用い、高さ・サイズにこだわった様々な種類の高機能な枕が販売されています。
実は、古くから枕という道具は「ただの寝具」ではありませんでした。
「枕(まくら)」は、もともと「魂蔵(たまくら)」と呼ばれ「魂の納まる蔵」と考えられていたのです。
そんな「枕」にまつわる怖い・不思議な逸話をご紹介しましょう。
何となく「自分の枕、大丈夫かな」……と気になってしまうかもしれません。
枕は「霊魂」「魂」が宿るもの
枕の起源は、古代メソポタミア・バビロニア・アッシリア・フェニキア時代に遡るそうです。日本では、古墳時代に亡くなった権力者を埋葬する際、埴製(土製品)・石製・琥珀製などさまざまな枕を用いていました。
江戸時代に入り、布製の括り枕を箱の上に取り付けた、箱型の高さがある垜枕(あずちまくら)が登場。箱の部分には引き出しが付いていて、貴重品やお金を入れる金庫の役目も果たしていたとか。折りたたみ枕や手の込んだ趣向を凝らした枕もいろいろ登場しています。
枕はもともと、「魂蔵(たまくら)」「真座(まくら)」と呼ばれていました。
「魂蔵」は魂を納めるための蔵、「真座」は真(神霊)が座る場所という意味で、枕は「神聖で大切なもの」として考えられていたのです。