みなさんは “予言獣” という言葉を知っていますか?なかなかのパワーワードですが、これは、コロナが流行し始めた頃に話題になった妖怪・アマビエを始めとする、豊作や疫病の流行などを予言する妖怪の類の総称。比較的最近のことばです。
疫病退散に効果あり?百数十年の歳月を経て、妖怪アマビエが再び話題に
令和元2019年から発生・蔓延している新型コロナウィルスの早期終息を願って、近ごろ妖怪「アマビエ」のイラストをはじめ、様々なアレンジ作品(動画、マンガ、刺繍、ぬいぐるみなど)が俄かに流行しているようで…
そんな”予言獣”たちを網羅した書籍『予言獣大図鑑』が刊行されました。
というか、1冊の本になってしまうくらい予言獣の種類が豊富だったことに驚きですが、本書では、予言獣を再定義し、十二系統に分類。それぞれの名称・別名・収載資料名・所蔵機関・資料形態・予言獣出現日・図版・翻刻・現代語訳を収録しています。
図書館司書・アーキビストである長野栄俊が蒐集してきた資料をもとに編んでおり、クダン研究を牽引する〝クダニスト〟笹方政紀、小説家であり〝フォークロア・コレクター〟でもある峰守ひろかず、わが国屈指の〝予言獣ハンター〟岩間理紀も加わり、全力で予言獣を追うテキストも収載。
「予言獣の多くは、非合法の印刷物=かわら版として即席に印刷されたものであり、またはそれらを絵心のない素人が転写したものも多くある。したがって、石燕や国芳、水木の妖怪画との間には絵としての完成度に雲泥の差がある。
それでも、庶民がさまざまな思いで描いたこれらの図像には、何とも言えない妙味がある。まずは、ページをパラパラめくり、ユルかったり、愛らしかったり、謎だったりする予言獣の姿形を眺めてみてほしい。」としています。
『予言獣大図鑑』は2,200円(+税)で販売中です。