皆さんは、学生時代英語の勉強をしていて、「明らかに、外国から来た食べ物なのに、パンは英語で”bread”? どうして?」なんて疑問に思ったことはありませんか?
少なくとも筆者は思ったことがあります。そして、この「パン」という言葉、実はポルトガル語由来だった知ったら、驚きませんか?
今回は、「パン」がポルトガル語から来ているということと、日本人がパンを食べるようになった歴史について、簡単に見ていきますね。16世紀にポルトガル人が日本に来航し、西洋の文化を伝えた際、宣教師達が、カステラと一緒に食料として持ち込んでいたのが「Pao(パオン)」と呼ばれていたもの。それが日本では、「パン」として知られるようになりました。
それぞれ、スペイン語では「pan」、フランス語では「pain」と呼ばれ、いずれもラテン語「panis」に由来しています。「panis」は、元々は「食物」を意味していたが、時代が経つにつれて、小麦粉・ライ麦粉などの穀粉を水、塩、イーストなどを加え、発酵させて焼いた食品全般を指すようになりました。
一方、英語の”bread”は、ゲルマン語由来で、オランダ語のbroodやドイツ語のbrotと共通しています。その語源は、「醸造」という意味を表わす同じゲルマン語のbrauenから来ています。発酵させて作るイメージから来ているのでしょうか。