侘びさび、千利休、茶室……。日本の文化や歴史において、「茶」は大きな存在感を放っているもののひとつではないでしょうか。今でも、お茶は人気のある習い事であると思います。
お茶にはさまざまな楽しみ方がありますが、そのなかのひとつ「闘茶(とうちゃ)」をご存じでしょうか?「闘」という字が使われていると何だか物騒ですが、貴族や武士など、上流階級で流行ったお茶の遊びのひとつです。
今回の記事では、そんな「闘茶」について詳しくご紹介したいと思います!
闘茶とは?
闘茶(とうちゃ)は、お茶の点て方や、お茶を飲んでその味や香りから銘柄や産地を当てるなどして勝敗を決める遊びです。「茶歌舞伎(ちゃかぶき:茶香服とも書かれます)」「利き茶」「茶寄合(ちゃよりごう)」などと呼ばれることもあります。
現在では、礼儀作法や服装にそれほど気を遣うことなく気軽に楽しめる伝統文化のひとつとして残っています。
闘茶の始まりは?
中国では、唐の時代に始まり、宋王朝のときに発展したとされる闘茶。日本には、鎌倉時代に伝わったと言われていますが、中国と日本ではそれぞれ独自の発展を遂げていきました。
鎌倉時代は、日本において本格的に喫茶が行われるようになった時代でもあります。闘茶については、鎌倉時代末期の『花園院宸記』に記載のある、後醍醐天皇の無礼講で開催された茶会がおそらく闘茶であると考えられています。