勝利は自分の力でつかめ!迷信を否定した武田信玄(演:阿部寛)のエピソード【どうする家康】

戦国時代「甲斐の虎」と恐れられ、天下の諸大名を震撼せしめた英雄・武田信玄(たけだ しんげん)。

令和5年(2023年)NHK大河ドラマ「どうする家康」では阿部寛がキャスティングされ、主人公・徳川家康(演:松本潤)にとって最大の敵として立ちはだかります。

さて、そんな武田信玄の恐ろしさは敵だけでなく、味方や家臣さえ震え上がらせたこともしばしば。

今回は冷徹なリアリストであり、したたかな謀略家として知られた信玄のエピソードを『名将言行録』より紹介したいと思います。

八幡大菩薩のお使いである鳩を……

ある時のこと。信玄は本拠地の甲斐国(山梨県)から隣国の信濃国(長野県)を攻めていました。

そんな中、一羽の鳩が飛んで来て庭先の木にとまります。これを見た家臣たちがにわかに喜び、ワイワイはしゃぎ始めたのです。

「何じゃ、騒がしいのぅ。いかがした」

やって来た信玄が尋ねると、家臣たちは口々に話しました。

「御屋形様、吉兆にございまする。庭先に鳩が参りましたぞ」

「鳩は源氏の氏神・八幡大菩薩のお使い。これは神仏のご加護を得た証しにございましょう」

「左様々々。武田家は八幡太郎(源義家)がご舎弟・新羅三郎(源義光)が末葉にござれば、これでお味方の勝利疑いなし……」

家臣たちの喜ぶまいことか。それを聞いた信玄は、おもむろに鳥銃を取り出すや狙い定めてダンと一発。何と鳩を射殺してしまったのです。

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