ついに始まった和田合戦。鎌倉の街を火の海にした『吾妻鏡』屈指の名場面がどう描かれるか、不謹慎ながら胸躍らせた視聴者も多かったのではないでしょうか。
決して戦さはしないと源実朝(演:柿澤勇人)に約束しておきながら、息子たちの暴走によって開戦のやむなきに至った和田義盛(演:横田栄司)。一方、戦さを避けられたと安堵していた北条義時(演:小栗旬)は謀られた形となってしまいました。
果たして三谷幸喜は和田合戦をどのように描き上げたか、第41回放送「義盛、お前に罪はない」を振り返って行きましょう。
飲んだ起請文は吐き出せばOK?三浦義村たちの裏切り
義時と内通していながら、巴御前(演:秋元才加)らに起請文を書かされてしまった三浦義村(演:山本耕史)たち。
義盛が「裏切るならすぐに裏切れ。従兄弟同士だから暗殺は忍びないが、戦さ場では容赦しない」と言うので、お言葉に甘えて当初の予定通り北条へ寝返ります。
しかし、飲み込んでしまった起請文はどうしましょうか。「いい考えがある」と八田知家(演:市原隼人)の提案で吐き出すことに。
「これ、意味あるんですか?」
「やらないよりマシだ」
飲んでしまった起請文は、たらふく水を飲んで吐き出せばいい……三浦胤義(演:岸田タツヤ)が呆れる通り、書き上げた起請文は焼いた時点で神様が聞き届けているもの。
灰を溶いた水を飲むのは、言ってみれば契約書の手元控え。吐き出したところで「書類を捨ててしまったから、契約は解消されました」というのは無理があります。
とは言え気休めでもやらずにはいられません。どうしても吐き出せない長沼宗政(演:清水伸)に知家が「俺の指を使え」とねじ込み、なんとか吐き出せました。
劇中の描写を見る限り、胤義はけっきょく吐き出さなかった模様。これが後に非業の死を遂げる伏線となるのでしょうか。