「鎌倉殿の13人」恐れる義時、受け入れる義盛。埋まりかけた両者の溝は…第40回放送「罠と罠」振り返り

「誰かをのぞくということは、誰かにのぞかれるということ」

慈円(演:山寺宏一)の発言は「(塀の穴から)覗く」意味でしたが、図らずも粛清を繰り返す北条義時(演:小栗旬)の末路を暗示しているかのようでした。

自分が「除かれ」ないためには、力のある者を「除き」続けるほかありません。そんな恐れから、義時は鎌倉の長老・和田義盛(演:横田栄司)を粛清せんと挑発し続けます。

一触即発の事態を回避しようと源実朝(演:柿澤勇人)が奔走、その甲斐あって戦を避けられるかと思ったのに……。

勘違いから始まってしまった和田合戦。果たしてどんな決着を迎えるのでしょうか。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第40回放送「罠と罠」。さっそく今回も振り返っていきましょう。

泉親衡の乱。首謀者の正体は?

どこからともなく現れて御家人たちに謀叛をそそのかし、風のように消えてしまった泉親衡(いずみ ちかひら)。その正体は、鎌倉に混乱をもたらすべく朝廷より派遣された源仲章(演:生田斗真)でした。

……という斬新な展開。泉親衡は謎が多く、この乱より消息を絶っていることに着想を得たのでしょう。

大江広元(演:栗原英雄)が「西からの雅な匂いがします」とその正体(本人特定はともかく、何となくの出所)を見抜いていました。しかしどういう根拠でそう感じたのか(例えば言動や痕跡など)、もう少し説明が欲しいところです。

そそのかされた御家人の中に和田義盛の息子である和田義直(演:内藤正記)と和田義重(演:林雄大)、そして甥の和田胤長(演:細川岳)がいたことから、義時の挑発を招くことに。

義直と義重は赦されたものの、謀叛への賛同を呼びかけた首謀格の胤長は赦されず、陸奥国へ流罪となりました。

ここまでなら「気の毒だけど、仕方ないよね。命がとられなかったのだから、我慢(むしろ感謝)すべきでは……」と思います。

しかし義時は「考えがある」と胤長を和田一族(義盛含む)99名の面前で辱め、北条びいきの『吾妻鏡』でさえ「これが和田義盛謀叛の原因となった≒こんなことされれば、義時を恨むのも無理はない(意訳)」と書かれる始末。

史実だからしょうがないのですが、その後の胤長館の横取り(※ただし法的な手続きは踏んでいます)と言い、義時は和田一族に謀叛を起こさせたかったとしか思えません。

何なら、泉親衡の乱は和田一族を潰したい義時の陰謀だったんじゃないかとさえ思えてしまいますね。

5ページ目 無数の和田義盛

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