エンタメ作品でおなじみ忍者の「手裏剣」は武器ではなかった!?そのさまざまな用法をご紹介

携帯型武器の完成形としての「手裏剣」

「忍者の武器」と聞いて、大抵の人が真っ先に思い浮かべる手裏剣

映画や漫画などで、忍者がシュシュッと放つスタイルが有名ですが、実際はどのような武器だったのでしょうか?

こちらの記事もあわせてどうぞ

江戸時代の貴重な忍術書に書かれていた変装術「七方出」や「忍者六道具」とはどんなもの?

最近、忍術書のバイブル『萬川集海』のベースとなる忍術書『軍法 間林清陽(かんりんせいよう) 巻中』が発見されたというニュースが話題になりましたね。[insert_post id=179376]…

実は手裏剣は、忍者の主たる攻撃の手段というわけではありませんでした。足止めや敵を混乱させるために使われることが多かったとされています。

もともと、武士が短刀や針などの武器を相手に投げつけて追手から振り切る「遁術(とんじゅつ)」というものがありました(ちなみによく忍者系エンタメ作品で使われる「土遁の術」「火遁の術」もこれに由来します)。しかし短刀は重くかさばるため、たくさんの数を携帯することはできません。針であれば攻撃力が足りず、投擲の仕方にも工夫が必要です。

これらの携帯武器の利便性はそのままに、攻撃力を改良したのが手裏剣だったのです。

ところで、敵の足止めを目的にする手裏剣術のことを留手裏剣(とめしゅりけん)といいます。つまり、もともと手裏剣という言葉は武器そのものではなく、一種の「剣術」だったわけです。

この留手裏剣には忍手裏剣(しのびしゅりけん)、静定剣(せいじょうけん)、乱定剣(らんじょうけん)がありました。

3ページ目 まるでマンガ!さまざまな使い方

次のページ

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了