終戦直後の1945年頃には、物資が不足。餓死する人や栄養不足になる人もあとを絶たなかったといいます。そのような状況下、現在の東京新宿でも、非合法に物資を取引する「闇市(ヤミ市)」が新宿駅を中心に乱立していました。
今回は、そんな闇市で売られていた名物「残飯シチュー」や「カストリ雑誌」を紹介します。
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闇市とは
闇市とは政府統括外の違法マーケットのことです。
ヤクザが主になって運営しており、違法な手段で入手された商品も高値で売られていました。しかし国からの配給もままならない終戦直後ということもあり、食料が手に入る闇市には多くの一般人が足を運び、大賑わいだったのです。なかでも人気だったのが、「残飯シチュー」。
残飯シチュー
日本国内に進軍して駐屯していた「進駐軍」が食べ残したものが非正規な方法で入手され、雑に調理されて闇市で販売されていたものが「残飯シチュー」と呼ばれていました。
調理工程は超簡単かつ雑なもので、残飯に水を足して煮込んだだけ。なかには、豚肉や鳥の骨、じゃがいも、ニンジン、セロリなど様々な食材が入っており、栄養価は高かったようです。ですが残飯なので、衛生的に良いはずもなく、なかにはたばこやスプーン、使用済みのコンドームまで入っていたこともあったとか。
到底、口にできる食品だとは思えませんが、当時の人にとって残飯シチューは貴重な栄養源であり、闇市では名物といわれるほど人気の商品だったのです。
味については「おいしい」と言う人もいれば、「食べられたものではない」と言う人もいて賛否が分かれており、そもそも「残飯特有の酸味の強い匂いが受け付けない」と言う人も多かったとか。