西洋を圧倒!江戸時代に日本が世界屈指の「識字率」を誇っていた理由とは?

雲川ゆず

「文字の読み書きができることは当たり前――」そんなふうに思ったことはありませんか?

この、文字の読み書きができることを「識字」といい、読み書き能力をもつ15歳以上の成人が同年齢の人口にしめる割合のことを「識字率」といいます。日本は成人のほぼ100%の識字率を誇っています。

しかし世界を見てみると、非識字者は約7億7,500万ほどいると言われています。そして、その3分の2が女性。

今回はそんな「識字」について、特に江戸時代に焦点を当ててご紹介したいと思います。

江戸時代の識字率

江戸時代の識字率については、さまざまな数字があります。厳密な調査があったわけではないため、「これ」という確かな数字を出すことは難しいのが現状です。

そのなかでも、よく知られている例としては、江戸時代後期において、江戸では約70~80%、全国平均で約60%以上というもの。

江戸時代のイギリスやフランスではもっと低かったという説もありますので、江戸の識字率の高さがうかがえます。

識字率とともに注目したい、就学率

同じく教育の度合いを測るものとして知っておきたいのが、「就学率」です。就学率は、学齢における在学児童・生徒が同年齢にしめる割合のことを指します。

こちらにおいても、江戸時代後期には、江戸の就学率が70%~86%程度だったという説もあります。

2ページ目 江戸で識字率が高かった理由は?

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