Japaaan読者の皆さんこんにちは。ライターの小山桜子です。さて、
「いちまぁい、にまぁ〜い、さんまぁい。」
このセリフといえば怪談話「番町皿屋敷」のお菊さんを思い浮かべますよね。実は番町皿屋敷の物語には元ネタとして姫路城に伝わる播州皿屋敷という話があります。
その話の中では、あまりフォーカスされてこなかったお菊さんの驚きの素性が明らかにされているのです。
妾だったお菊さん
江戸時代より昔、戦国の頃の話です。姫路城の小寺則職(こでらのりもと)は、家臣の青山鉄山という人物に主家乗っ取られそうになっていました。
これを衣笠元信という忠臣が察知し、企てを防ぐために自分の妾の女性を鉄山の家の女中として送り込み、鉄山の計略を探らせました。この衣笠の妾こそが、お菊さんでした。
夫のためにスパイになり大活躍
お菊さんの密告によって元信は青山が花見の席で則職を毒殺しようとしていることを突き止め、その花見の席に切り込み、則職を救出することができました。
乗っ取りに失敗した鉄山は家来の町坪弾四郎に調査するように命令し、自分の家に女中として潜り込んでいたお菊さんがスパイであったことを突き止めました。
敵の家来からのセクハラ
お菊さんはとても美人でいい女でした。なのでスパイ調査をした弾四郎は、実はお菊さんに恋してしまったのです。
弾四郎は「お前の素性はバレているんだ!命が惜しければ俺の妾になれ!」とお菊さんを脅すというセクハラ行為に及びましたが、お菊さんは毅然として拒否しました。