「○○ファイブ」と聞くと、その言葉の響きから戦隊もの、ヒーローを思い浮かべてしまうと思いますが、実は「長州ファイブ」と呼ばれた5人の人物がいました(※長州五傑と呼ばれることもありますが、この記事では「長州ファイブ」で統一させていただきます)。
2007年に映画化もされた彼らですが、当時、命がけでイギリスへ渡り、研究を行いました。今回は、そんな長州ファイブについて詳しくご紹介したいと思います。
長州ファイブとは?
長州ファイブは、江戸時代末期の幕末に、長州藩からイギリスに派遣され、ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(英名:University College London、略称:UCL)などに「密留学」した5人の長州藩士のことを指します。
その5人とは、
井上馨、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤博文、井上勝。
彼らは日本に帰ったあとに大きな功績を残したため、日本に記念館があるだけでなく、イギリス・UCLの中庭にも記念碑が建てられています。さらに、UCLの校舎内には、長州ファイブについての説明パネルまであるんですよ。
長州ファイブ派遣の背景
先ほど長州ファイブは「密留学」した、と書きましたが、これには理由がありました。1853年にペリー率いる黒船が来航したことにより、日本は開国を強いられました。開国した後も列強と不平等な条約を結んでいくことになります。
国内での尊王攘夷思想・運動が高まりを見せ、社会派混乱に。また、江戸幕府の海外渡航禁止令があったため、開国はしたものの日本人が海外へ渡航することは1866年までできませんでした。しかし、幕府の許可を得ずに英国へ渡ったのが、長州ファイブ。
長州藩は若者に、海外の最新の知識や技術、文化を学んでもらうことが必要だと考えていたからです。長州ファイブの面々は、「生きた器械」になることを約束し、イギリスへ。