「切捨御免(きりすてごめん)」という言葉を、時代劇などで耳にしたことがある方も多いと思います。こんな言葉があることから、武士たちはさぞ簡単に人を斬っていたのだろう、と想像できますが、実は意外とそうでもないんです。
そこで今回の記事では、そんな意外と知られていない「切捨御免」のルールや真相に迫ってみたいと思います。
「切捨御免」よく聞くけどその意味は?
説明不要……かもしれませんが、「切捨御免」とは「斬ってごめんね」という意味ではなく、江戸時代の武士に名字帯刀とともに与えられた特権のひとつで、町民や農民から無礼を受けたときに斬って殺しても罪には問われない、というもの。
他に、「無礼討ち」や「手討ち」などと呼ばれました。
「切捨御免」は厳しいルールがあった?
こう聞くと、武士は簡単に庶民を斬りまくっていたのでは?と思いますが、実のところはそうでもないようです。
というのも、切捨御免を行うためには厳しいルールがあったからです。それは、武士が庶民から受けた侮辱の名誉回復・正当防衛の手段であること。
なにを持って“無礼”とするかの判断は難しいですが、一般的には、武士に故意にぶつかったり妨害行為があった場合とされていました。
ですから、気に入らないからと言ってむやみやたらに斬り殺すことはできなかったのです。ちなみに、勝手に人を斬ることは辻斬りと言い、死罪となります。