明治時代は産業だけでなく、娯楽もさまざまな進歩を遂げました。娯楽や遊びにはどんなものがあったのか、錦絵で見ていきたいと思います。
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歌舞伎
明治期になると、歌舞伎は現代劇や西洋との融合を図ります。
明治の時代背景を描写し、洋風の物や語を前面に押し出した演目・散切物(ざんぎりもの)が公演されたり、外国人にも見てもらうを考慮して、役者が英語を話すこともありました。
明治24(1891)年公演の「風船乗評判高閣」では、洋装の五代目尾上菊五郎が気球で舞台上へ舞い上がり、花道から戻ってくると「Ladies and gentlemen!」と客席に挨拶したそうです。
これは、前年に流行したスペンサーの風船乗り(気球乗り)を真似たものでした。
気球船
明治期に西洋から入ってきたものの一つに、気球がありました。
こちらは明治10年に築地の海軍の敷地内で行われた、気球の公開実演の様子が描かれています。
当時話題になっていたのがイギリス人の曲芸家・パーシバル・スペンサーで、ガス気球に乗って遥か上空まで飛んでいき、落下傘に乗り換えて帰還する芸が人気でした。
勧進大相撲
勧進相撲(かんじんずもう)とは、寺社の本堂や山門などの造営・修復に要する費用を捻出するため開催した相撲を言います。
こちらは明治より少し前ですが、ペリー来航の際、幕府が関取たちを総動員し、取組を披露した時の様子を描いたものです。
チャリネ大曲馬団
明治19(1886)年、イタリア人チャリネが率いる曲馬団が東京で興行し、大評判となりました。
外国のサーカスは日本の軽業などに比べて規模も大きく、また当時の日本には珍しい動物が登場したり、芸種も豊富だったことが人気の理由です。
「チャリネ」はサーカスを意味する言葉となりました。