風俗文化の象徴。性愛・性交を描いた絵画「春画」の歴史と移ろい【前編】

一之瀬 陽平

性風俗文化の歴史は長い。それは日本においても例外ではなく、時代ごとの文明に色濃く反映されている。中でも「春画(しゅんが)」は風俗文化を象徴する存在であり、日本でも古くから親しまれてきた。

今回は、日本における春画の歴史と移ろいについてご紹介する。

春画とは

浮世絵の一種であり、性行為や性的描写を含む絵画の事を「春画(しゅんが)」と呼称する

春画は当時の人々が性的欲求を満たすための道具とされたほか、厄除のお守りや、嫁入り時の女子に対し性知識の指南書として持たせる事もあったという。

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特徴

写実的な描写は少なく、局部を誇張したデザインや官能的で大胆な構図の作品が多い。中には不自然なポーズや、状況が正確に飲み込みづらい作品、人間以外の生物との絡みを描写した作品なども数多く残存する。

春画の手法は肉筆画と木版画に大別することができる。肉筆画は貴重であり貴族などの上流階級民を中心に広まった。印刷技術が向上した江戸時代中期以後は、庶民に広がり木版画の市場占有率が増加した。

3ページ目 → 春画の起源

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