掃除、極道、内緒…あれもこれも!仏教が由来になっている日本語たち:その3

湯本泰隆

さて、過去にJapaaanでは、2回にわたって仏教が由来になっている日本語たちを紹介しました。

“懐石“という言葉は仏教由来?仏教と茶道の影響を受けた和食文化

日本の文化を学んでいると、そのコンテンツに多くの仏教的なものが関わっているということに気がつきます。今回は、そんな仏教に影響を受けた日本文化の中から、特に「食」に関わるものを紹介していきたいと思います…

開発、愛嬌、玄関…あれもこれも!?仏教が由来になっている日本語たち:その1

さて、少し前に仏教由来の和食について紹介しました。[insert_post id=135914]そこで今回は、私たちが日常的に使っている言葉の中から、仏教が由来となってる言葉をいくつかご紹…

喫茶、我慢、覚悟も!まだまだある、仏教が由来になっている日本語たち:その2

以前Japaaanで、”仏教由来の日本語”ということでいくつか紹介しました。[insert_post id=135914][insert_post id=137364]好評につき、今回…

実は、日本語の中には、まだまだ仏教由来の日本語たちが存在しています。今回は、大好評につき、またまたそんな仏教由来の日本語たちを紹介していきたいと思います。

掃除

「掃」は、払い清める、「除」は“あまねく”を意味し、元々は神聖な場所を余すところなく掃き清めることを意味していました。「掃除」は仏教においては大切な修行の一つで、釈迦の弟子である周利槃特(しゅりはんどく・チューラパンタカ)は、掃除で悟りを開いたというエピソードが伝わっています。禅宗では特に、「一に掃除をすること、二に軽天を読むこと」といわれるほど掃除が重要視されています。

極道

博徒やならず者などを意味するこの言葉、実は仏教由来の言葉でした。「極道」とはもともと、仏教の道を極めることを意味する言葉で、高僧に対して「極道者」などと呼んでいました。ところが江戸時代になると強きを挫、弱きを助ける侠客を極めた人物を「極道物」と称えたことから、現在のような意味を持ったようです。

道化

仏教では「どうげ」と呼びます。もともとは、人々を仏の道に導くという意味の「道法教化」(どうほうきょうか)という言葉が元になっています。一般大衆を仏教に帰依させるために、笑いを誘うような身振り手振りを交えて説法したことから、やがて現在のような笑いをとることやその人自身を指す言葉になりました。

所得

経済などでよく使われるこの言葉も、実は仏教にちなむ言葉でした。もともとは、所有を意味するサンスクリット語の「ウバランバ」が語源になっている言葉で、本来は、修行によって「精神的に得たもの」を意味していました。それが、いつのころからか「金銭的に得たもの」という意味になりました。

3ページ目 道楽、娯楽、内緒も!

次のページ

この記事の画像一覧

シェアする

モバイルバージョンを終了