神社の拝礼「二拝二拍手一拝」の歴史は意外にも浅く昭和以降から。ではそれ以前の作法は?

湯本泰隆

ひとことに神社の参拝といっても、その方法は大きく2つにわけることができます。

拝殿の前で鈴を鳴らし、お賽銭をして行う一般的な方法がひとつ。

そしてもう一つが、「拝殿」と呼ばれるところに昇殿して奉呈をして行う正式参拝。

このいずれの場合も、二拝二拍手一拝で行います。さらに、より丁寧に行う場合には、二拝二拍手一拝の前後に「揖(ゆう)」と呼ばれる会釈をする場合もあります。

さて、この拍手ですが、私たちも日常を送るうえで普段から行っている行為です。

ただ、これは元々古代の日本において、高貴な人物や身分の高い人物に対して、敬意を表す意味を持つ行為で、すでに中国の歴史書『魏志倭人伝』にも倭人の礼法としてこの拍手のことが記されています。

その後、貴人に対して拍手を行うという礼法は、平安時代以降に廃れていきましたが、神社の作法として残り、後世に伝わりました。

神社の参拝については、実は近世に入るまでは定まったやり方がなく、様々な方法で行われてきたようです。そのような中で比較的普及したのが、「両段再拝」でした。

両段再拝とは、二度頭を下げること(両段)を二度繰り返す方法のことをいいますが、今のやり方で言えば、二拝二拝ということになります。

2ページ目 二拝二拍手一拝の歴史は意外にも浅い

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