大河ドラマ「鎌倉殿の13人」佐藤浩市の熱演に期待!上総介広常の強烈なキャラクター【下】

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」佐藤浩市の熱演に期待!上総介広常の強烈なキャラクター【上】

令和4年(2022年)放送予定の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜の脚本や豪華キャスト陣によって早くも話題となっているようです。本作には主人公の北条義時(ほうじょう よしとき)をはじめ、鎌…

時は平安末期、平家打倒に挙兵した源頼朝(みなもとの よりとも)公に加勢するか否か、その将器を見極めていた坂東の大豪族・上総介広常(かずさのすけ ひろつね)

二万騎にもなる大軍を掻き集めて傲慢に振る舞ってみせたところ、頼朝公はこれを毅然と拒絶。

「これでこそ、君主のとるべき態度である」

頼朝公に男惚れした広常は忠誠を誓ってその傘下に加わり、平家打倒の勢いは、ますます盛んになるのでした……。

上洛よりも、坂東で気ままに暮らそうぜ!

その後、富士川の合戦(治承4・1180年11月)で京都から遠征してきた平家の討伐軍を撃退した(と言うより、水鳥の羽音に驚いて逃げて行った)頼朝公は、この勢いで一気に京都まで上洛を果たそうとしますが、広常は他の宿老たちと共に坂東の地固め(上洛に反対)を主張します。

「ナンデウ(なんじょう)朝家(ちょうか)ノ事ヲノミ身グルシク思ゾ。タダ坂東ニカクテアランニ、誰カ引ハタラカサン」
※『愚管抄』より

【意訳】どうしてそんなに朝廷に取り入ろう(近づこう)とするんだみっともない。坂東に君臨していれば、誰からもこき使われず気ままに暮らせるのに……。

かつて坂東で独立を宣言した「新皇」平将門(たいらの まさかど)に代表される如く、とかく坂東人は昔から権威(を振りかざす者)を嫌い、中央政権=朝廷に対して距離をとろうとしてきました。

もし彼らの意に背いて足元が覚束ないまま上洛を強行すれば、悲惨な最期(※)が待っていることを予感したのか、流石の頼朝公も広常らの忠告に従い、坂東の地固めに励んだということです。

(※)少し後のことになりますが、頼朝公のライバルとなった木曾義仲(きその よしなか)は緒戦の勝利に任せて上洛を強行し、京都で暴れ放題であったため、ほどなく滅ぼされてしまいました。

清和源氏の嫡流として京都で生まれ育った頼朝公としては、一刻も早く京都へ「里帰り」して「故郷に錦を飾り」たいところだったでしょう。

しかし、亡父にゆかりのある鎌倉を整備していく内、次第に鎌倉を故郷と感じるようになっていくのですが、それはまた別の話。

4ページ目 古参の老臣・岡崎義実との大喧嘩

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