会いたくて…主を慕い都から海をひとっ飛び。樹齢千年「飛び梅伝説」の梅が咲く春が来た 【前編】

高野晃彰

「飛び梅伝説」という話をご存じでしょうか。春が訪れると、可憐な花を咲かせ上品な甘い香りを漂わせる梅。

梅は、弥生時代に中国から渡来したという説、または遣唐使が持ち込んだという説がある、昔から馴染み深い植物です。

「天神さま」で知られる、学問の神さま菅原道真公は、逝去するまで梅をこよなく愛した人物として有名。

梅のほうもそんな主を深く慕い、道真公が左遷された際そばにいたい一心で、京のお屋敷から九州の太宰府まで海を渡り飛んで行きました。

それが、千百四年の時を経て、今に伝わる「飛び梅伝説」です。

令和の時代になっても、未だに太宰府天満宮には春になると美しい花を咲かせる、樹齢千年といわれている「飛び梅」は健在

今回はその伝説をご紹介しましょう。

梅の紋の天神さま

学問の神さまで知られる「菅原道真」。道真公を祀る神社・天神さまでは、神紋(家紋のようにそれぞれの神社に用いられている紋)である「梅の紋」がよく描かれています。

道真公が、生前こよなく梅を愛でていたという伝承に基づいて天神(天満宮)に用いられるようになったそうです。

3ページ目 幼い頃から梅をこよなく愛した道真

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