8月6日は広島原爆の日。裁判に注目が集まる「黒い雨」とは?

小山 桜子

8月6日は広島に原子爆弾が投下された日です。広島には、原子爆弾が投下されてまもなく黒い雨が降ったという記録が残っています。この黒い雨とは一体何なのでしょうか。

黒い雨とは

黒い雨とは、原子爆弾投下後に降る、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨です。雨と言っても通常の雨雲から降った雨ではなく、放射性降下物(フォールアウト)の一種です。

広島市では、原爆投下後、主に北西部を中心に大雨となって激しく降り注ぎました。

黒い雨による被害

この黒い雨は強い放射能を帯びているため、この雨に直接打たれた被爆者の人々は、二次的な被曝が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害をきたしました。

大火傷・大怪我をおった被爆者達はこの雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にするものも多くいました。原爆被災後、他の地域から救護・救援に駆けつけた者も含め、今まで何の異常もなく元気であったにもかかわらず、突然死亡する者が多くみられたのは放射能のせいです。

水は汚染され、川の魚はことごとく死んで浮き上がり、この地域の井戸水を飲用した者の中では、下痢をすることが非常に多かったといいます。

長期化する放射能汚染

地表に沈降した放射性物質は降雨などにより地下水へ移動し、その水を汚染します。汚染された水は今度は植物に栄養素の一部として取りこまれて汚染し、汚染された植物を食べた草食動物、及びこれらを食べる人間までもを汚染します。

このようにして、黒い雨によって生じる生物学的な影響は今なお被爆者の方は苦しめられているのです。

黒い雨をめぐる裁判に注目が集まる今、当事者でない私たちにできるのは、「あの日」を生きた被爆者の方々の証言にしっかり耳を傾けることではないでしょうか。

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