モンゴルに自由と統一を!日本人と共に民族独立を目指した悲劇の英雄・バボージャブの戦い【一】

モンゴルと言えば、大相撲で活躍している外国人力士たちや、ユーラシア大陸を股にかけたモンゴル帝国の覇者チンギス=ハーンが有名ですが、国家が南北に分断されている現状については、あまり知られていないのではないでしょうか。

「モンゴルの北はロシア、南は中国でしょう?どこに分断されたモンゴルがあるの?」

……中国の地図を見ると、モンゴルとの国境に「内モンゴル(蒙古)自治区」という地名が広がっており、これこそモンゴル人にとっては「奪われた土地=南モンゴル」に他なりません。

※ちなみに「内」モンゴル自治区とは、中国から見てこっち(内)側という意味であり、現在のモンゴルは「外蒙古」と呼んでいますが、モンゴル人にしてみれば内も外もなく、どっちも我が国(モンゴル)だと言いたいところでしょう。

世界は常に弱肉強食、奪い奪われは世の習いですから、中国が悪いなどといった主張はナンセンスですが、どうしてこうなったのか、その事情を知っておくことは平和を守る上で大切な教訓となります。

また、モンゴル人もただ奪われたばかりではなく、多くの英雄たちがモンゴルの民族独立と南北統一を目指し、日本人とも連携して戦いに身を投じました。

今回はそんな英雄の一人であるバボージャブ将軍(1875~1916)のエピソードを紹介したいと思います。

2ページ目 モンゴル族の青年、日清戦争の勝利に希望を見出す

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