四国は高知の小さな湊町に、江戸末期の美しさを蘇らせた場所があるのをご存知ですか?
恐ろしくて美しい……その場所は、「絵金蔵」。
祭りの夜の暗闇に、蝋燭の灯りに照らされて、屏風に描かれた歌舞伎のワンシーンが妖しく浮かび上がる……
四谷怪談……義経千本桜……
屏風に描かれた芝居のそれら一場面は、暗闇に揺れる光のなか、怖く美しくうごめきます。
その芝居絵を描いたのは、江戸末期の天才画家、弘瀬金蔵こと通称「絵金」。
もとは土佐藩家老の御用をつとめる狩野派の天才絵師でしたが、贋作の疑いをかけられ追放・破門。その後、一時は消息を絶つも、のちに土佐の片田舎で「町絵師・金蔵」として提灯・絵馬・凧などに絵を描き続けました。なかでも金蔵が屏風に描いた「芝居絵」は人気が高く、今でも毎年7月の祭りの夜に町に飾られています。
この金蔵=絵金の芝居絵が、祭り以外でも見られるのが「絵金蔵」です。
館内はとても暗く……
蔵の入り口で渡された提灯をかざしながら、暗闇のなか、絵金の芝居絵を見てまわります。
※写真撮影がNGなので、詳細をお見せできないのが残念!
暗闇に浮かぶ芝居絵屏風とは……?
気になる方は絵金蔵 公式ホームページをご覧ください四国の端の片田舎。江戸の妖しさと美しさが残るこの「絵金蔵」へ、ぜひ足をお運びください。
ちなみに、「絵金蔵」の向かいには歌舞伎仕掛けのつまった芝居小屋「弁天座」があり、見学ができます。こちらも合わせて、江戸・明治の芝居の深淵を覗いてみませんか?
▼弁天座